(るかでん)

 1992年、東京湯島聖堂に天幕劇場を特設して、「乳歯の季節」で旗揚げ。以来、湯島聖堂を拠点とする野外劇と小劇場タイニイアリスを主とする実験劇、蛮勇と緻密の両極端を往還する珍しい公演形態で、演劇界に特異な位置を占めるに至る。どちらの舞台も、作・演出川松理有の無声映画や見世物小屋への郷愁、西欧・アジアの伝統やエキゾチックなものへの憧憬等,独特な美意識によって統一され、川松が魅せられ、偏愛する人形・小林榴華が主演することも少なくない。その、人とモノとが逆転したような幻想的、耽美的な世界は、世紀末を生きる鋭敏な若ものたちの静かなしかし深い共感を喚び、公演ごとにファンを増やしてきた。野外劇の代表作に臨海副都心に大天幕を張っての連作「トーキョーイントレランス」/「バビロンより愛をこめて」(96)があり、小劇場演劇にも「KATAN DOLL」(93)「REM」(95、97)「からすうりの咲く夜」(97)その他傑作が多い。

 近松研究所主催による今回の公演は、アジア各都市の実験的・先駆的小劇場/大学が互いに優れた演劇を交換しようと締結したNetworkによるものであり、「榴華殿・アジア疾走公演」の一貫である。






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