教員インタビュー
人間教育学部 児童教育学科近藤 綾准教授
現場体験で得られるものは自信、
ときどき“運命の出会い”
はい。子どもを知り、あらゆる変化に気づくには、知識と経験を結びつけることが大切だと思っています。ですから、授業の合間の1コマでもいいから子どもと関わっておいで、園に行っておいで、と声をかけます。幸いキャンパスの近くには「いつでも来てください」と言ってくださる幼稚園や保育所がたくさんあります。

児童教育学科 近藤 綾 准教授
「子どもはかわいい」だけでは先生は務まらないことに気付きます。例えば、学生が子どもと関わる中で困ることの一つにケンカへの対応があります。
子どもたちがおもちゃで遊んでいると取り合いになって、泣いたりケンカになったりしますよね。そうしたときにどう対応したらよいでしょうか。
「相手の立場に立ってものごとを考えられるようになるのは4歳以降」という“心の理論”を学ぶ授業があります。これは発達心理学(1)という2年生1学期の授業です。授業では、4歳以前の子ども達への対応も話題にしますが、学生にとって“心の理論”はこの時点ではまだ「理論」です。
2年生から3年生にかけて幼稚園・保育所の実習がありますが、そこで必ずケンカの場面に出くわします。「どうしたらいいんだろう」。うまく対応できなかったことは持ち帰って、調べたり話し合ったりします。現場に出るたびに疑問を持つ。それがとても重要だと思います。その子は何歳だった? 園の先生はどう対応していた? 「あっ、あの子はまだ“心の理論”を獲得してないからもっと言葉を補うべきだったかも」。こうして授業の「理論」が学生の「知恵」に変わっていくのです。
実際、3年生の夏ごろから学生の顔つきは変わっていきます。授業と実習が結びついて少しずつ自信が持てるようになるのでしょうね。

はい。私が園田で初めて持ったゼミ生の中に、どちらかといえばおっとりしたタイプの学生がいました。彼女は3年生のとき、公立幼稚園に1カ月間、実習に行っていたのですが、帰ってくるなり「実習担当の先生がすごくよかった! これは運命の出会い。あの先生のようになりたいので公立の試験を受ける」と言い出したのです。
公立の試験は競争倍率も高く、当時、園田の学生で公立を目指す人はほとんどいませんでしたから、みんな「え~っ」と驚きました。
試験を受けると決めてからの彼女は強かった。毎日勉強し、卒論は影響を受けたその先生の(子どもたちへの)言葉かけをテーマに取り組む。そうこうして試験を受けたところ見事1次通過。でもまだ2次、3次がある。そこには集団討論、面接、小論文が待っている。どちらかというと彼女の苦手分野でした。しかし彼女は諦めることなく小論文を何度も書き、面接シミュレーションを重ねて、ついに合格を勝ち取ったのです。
卒業後、彼女は、憧れ(あこがれ)のその先生と働くことになりました。
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