叢書の表紙写真(近松研究の今日)  近松研究の今日


 園田学園女子大学近松研究所の開設5周年記念講演録。
 近松門左衛門を核に、近世演劇から近代文学にわたって、十二人の学究が最新の研究を披露する。特に近松については、その作劇法・作品論に加えて最近推定作に加えられた『てんぐのだいり』の考察、京都時代の近松の住居、初代竹本義太夫の節付、近代が最初にとらえた近松と、多角的な追及が行われ、総合的に今日における近松研究の問題点を明らかにする。これらに、近松に先立つ古浄瑠璃伝承の「場」、近松も関わった元禄歌舞伎の舞台面に迫る考察や近松以後の二代目市川団十郎の活躍、大田南畝の芝居への関わり方をめぐる講演が加わり、享受者をも含めた近世演劇の世界が広がる。
 表・図版等も加え、研究者はもちろん学生にも読みやすい内容となっている。近松への入門書としても勧めたい。


近松の初期作品をめぐって……………………………
近松門左衛門と『世界』…………………………………
近松の人物造型−劇的状況を担う人物像の諸相……
元禄期の浄瑠璃−『丹州千年狐』を中心に……………
近松と天神伝説…………………………………………

近松時代の曲節−「色」について………………………
近松の居どころ…………………………………………
近松の近代受容…………………………………………

『横笛』と高野伝承………………………………………
『けいせい浅間嶽』演出妄言……………………………
二代目団十郎と近松……………………………………
大田南畝と芝居…………………………………………

あとがき…………………………………………………

信多純一
大橋正叔
原 道生
秋本鈴史
松崎 仁

山根為雄
武井協三
鳥越文蔵

阪口弘之
土田 衞
近藤瑞男
中野三敏

棚町知彌

 
定価 4000円+税/発行日 1995.3/A5判/354ページ
問い合わせ先
和泉書院

棒

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