プロジェクト概要

 高齢化に伴い、日本の人口の年齢構成や世帯類型の構成は大きく変化しているが、特に尼崎市は男性高齢者の単身世帯が多い。尼崎市は比較的要介護の認定率が高く、今後認知症高齢者の増加などにより高齢者の暮らしの支援と看取りの援助は早急な課題である。尼崎市市民意識調査によると8割近い人々が「尼崎で暮らしたい」と回答しており、住み慣れた尼崎が終の棲家となるように創意工夫し、新しいサービスを生み出すことが私たちの大切な役割である。とくに看護師は疾患や障害をもちながらも地域で生活するための支援をすることにある。当大学が位置するこの尼崎市の高齢者の現状を知り、課題を解決するということは、日本の高齢者看護のあり方にとって深い示唆をえることができる。本研究の目的は、尼崎市における様々な場での高齢者の暮らしから医療福祉の課題を明らかにし、新しいサービスを提言することである。また、これらの成果を尼崎市のみならず日本における高齢者看護の実践に寄与することである。

活動のようす

 本年度は、高齢者がこれまでの経験と生涯学習の成果を地域(尼崎)で生かす活動について検討するための準備を進めています。
 具体的には、園田学園女子大学生涯教育センターシニア専修コースで学ぶ高齢者を対象に調査を実施中です。 ボランティア、まちの支援員(尼崎市学校地域支援本部事業の一環)として地域のニーズを受け止め、社会に貢献する人材として地域福祉の向上に貢献するためには、今後どのような学習や援助が必要であるか調査結果を踏まえ提言したいと思います。
 また、高齢者の社会経験は学生にとっても有効な資源となります。相互交流を通して、高齢者の学び続けようとする姿勢や人生観、これまで生きてきた時代を認識し、日本、地域、尼崎の現状を考える機会にするため経験を伝えるプログラムとして、看護学科高齢者関係の授業への参加、協力等交流の機会を模索しています。