平成28年度 プロジェクト概要

 学校教育のなかで、環境をとらえる場合、多様な視点を持つことが重要である。研究の中で得られた河川の水質、小動物、植物、親水性を目的としたプログラムなどを教育機関と連携し、提案や企画運営することで、新しい授業展開の可能性が広がり、地域がより身近になり環境教育の多様化に寄与できると考える。そのためには、適正な教材を作成することが必要である。庄下川中流域の継続的な調査、多分野からの調査を行い、地域を理解してもらう教材を作成したい。

平成27年度 活動報告

平成26年度 活動のようす

 昨年度は近隣小学校の生活科、町たんけんの授業の一環として、庄下川親水プログラムを学生が構築し、提供しました。 そのときの問題点の一つとして、もう少し深く生物化学的な基礎資料が必要であると感じたことから、本年度は、尼崎市衛生研究所、尼崎市経済環境局、環境部、環境保全課、環境監視センターと協力しながら、本学近辺の庄下川のモニタリングを継続しています。
 具体的にはDO、BOD、COD、pH、水温、濁度の測定を週に1回のペースで継続しています。尼崎市衛生研究所では庄下川の数地点で、定期的な水質検査と細菌検査を行っています。このモニタリング日と同日にわれわれのフィールドとしている園田学園女子大付近の庄下川中流域で、同様の水質検査、細菌検査を行い、採水地点によるデータの違いについて検討を進めています。サンプリングや実験方法に大きな違いがないように、衛生研究所に学生が出向き、水質検査、一般細菌検査、大腸菌群、大腸菌の検出の実習をさせてもらい、技術を習得し、なるべく正確なデータ比較ができるようにしました。
 小動物に関して、過去の調査で、クサガメ、イシガメ、外来種のミシシッピアカミミガメ、シマヘビ、カワウ、コサギ、ナマズなどが観察されています。さらに 水生生物の調査も必要であることから、本年8月に庄下川中流域での調査を行いました。過去に放流され、繁殖が進んだと思われるコイのほか、フナ、カワムツ、ヨシノボリ、メダカ、スジエビ、ヌマエビ、外来種のアメリカザリガニが観察できました。幼児や児童は、生き物に対して大変興味を持つことから、多様な小動物の資料を提供することは親水性を深めるのに効果的です。小動物の調査はさらに回数を重ね、詳細な同定を進めるつもりです。また8月に行われた、尼崎市の児童を対象に理科実験を行うイベント「しゅくだい研究所」に、学生は補助として参加し、小学生の生活科や理科に関する興味を知ることができました。ここでは、参加した小学生に、庄下川に関するアンケートを実施させてもらっています。

 
①水生生物調査                      ②研究室での実験