平成28年度 プロジェクト概要

 本研究では、大きな方向性として、地域全体の家族(父親、母親、子ども、家族)―経済的に困難な家庭も含めて―が育っていくような支援の在り方を研究していきたい。これまで、25年度に作成したHPを活用して、26年年度はこのWebサイトで地域の住民、子育て支援者、大学教員が双方向的に情報発信・情報交換を行い、27年度はそれぞれの当事者の課題の明確化を図った。その結果も踏まえながら、28年度も引き続き実践活動を計画、実施、評価していく。とくに今年度は、これまでの実践研究を行ってきた成果をもとに、地域における子育ての実態と母親の成長、学生の成長に焦点をあてて調査、研究をすすめていきたい。


詳しくは、ホームページをご覧ください。

平成27年度 活動報告

平成26年度 活動のようす

1.教育研究の背景・目的及び必要性  近年、様々な地域で子育て支援活動が盛んです。少子化の中で、特に都市部では核家族が大半を占め、尼崎市ではひとり親世帯も増加傾向にあります。また、親となる人々もそのような家庭で育ち、自らが親となるまでに、多世代との交流経験を多く持つ人が減少しています。そして、そのことが要因となり、子育てに対する不安や親役割に迷う状況も目立っています。そのような親を支え、子どもが地域で健やかに育っていくためには、子育て支援は欠くことのできない取り組みです。しかし、親自身の背景や生活の多様化に伴い、子育て支援側に対する要望も多様となってきています。この多様な要望を踏まえた支援実現のためには、支援する側が日常的に研鑽を重ね、スキルアップしていくことが必要ではないかと考えます。 そこで、子どもの育ちや健康などに関する専門性を有する大学教員が、尼崎市内の子育て支援にかかわる方々と連携・協働することで、支援する側の学びをサポートできるのではないかと考え、この研究チームが立ち上がりました。 取り組み方法としては、尼崎市内の子育て支援の実態や課題を把握したうえで、大学教職員の様々な専門性を生かして地域との連携・協働による子ども・子育子育て支援の課題解決につながる企画を開発して実践を行い、評価につなげようと考えています。 2.今年度の取り組みと今後の課題  前年度は、地域の方々にこの研究チームの存在を知っていただくことと、子育て支援の連携に向けて、双方向的に情報を交換するために研究チームのHP「園女子育てナビ」を作成しました。  平成26年度の前半では、市内の園田支所内に新たに立ち上がった「ママカフェ」の企画、運営を支所のスタッフと協働して行う活動に、研究チームの教員とそのゼミ生が定期的に参加しています(写真)。


 毎回、参加している母親のニーズを踏まえ、参加教員が子育て知識やスキルに関する話題提供も行っており、回を重ねるごとに参加者数も増えてきています。参加した学生も実際に母子と関わったり、教員の取り組みから子育て支援の実際を学ぶことができています。
 また、今期の後半では、大学内での2つイベントを計画しています。
 1つは様々な年齢の子どもを子育て中の父親とそのご家族を対象とした、「働くパパの子育てサロン」です。父親には日頃の家事・育児へのかかわり等の本音トークや父親同士の情報交換を行ってもらい、自らの課題を見出していただくことを目指しています。また、大学教員による子育てに関する話題提供も行います。学生は当日の託児や父親の話し合いの書記を通して、家族の実態を把握することができます。もう1つは、年度末に大学内で尼崎市内の子育て関係者(住民も含め)が参加し、子育ち・子育てに関する情報交換などを行う「子育てメッセ(仮)」の開催を計画中です。
 また、支援する側のスキルアップ課題の把握に関しては、現在の活動の中で出会う方々や人間看護学科の授業である「育成看護学実習」、「育成連携支援実習」の場である市内の保育所、子育てひろばなどのスタッフの方に学生を介してお話を聞いていく予定です。私たちの研究活動は、あくまでも当事者の方々とともに進めていくアクションリサーチの手法を活用して今後も取り組んでいく予定です。